〖西渓公園〗 in 佐賀県多久市
園内には、国登録文化財で佐賀県遺産の「寒鶯亭(かんおうてい)」をはじめ、武富咸亮の「大宝聖林碑」、作家滝口康彦の文学碑、3つの資料館(郷土資料館、先覚者資料館、歴史民俗資料館)もあります。
👇 西渓公園入口。奥に高取伊好の像が見える

西渓公園 (1) posted by (C)furosky
公園入口から真正面の奥に、高取伊好(たかとりこれよし) の立像が建っています。
この公園は、江戸時代に多久邑女山多久家(家老職)の屋敷であったこの場所を、多久出身の石炭王・高取伊好が大正9~13に私財を投じて整備し、当時の多久村に寄贈したものです。
高取伊好の号 を「西渓」と称していたことから、「西渓公園」と名づけられました。

西渓公園 (2) posted by (C)furosky
西溪公園
城山の緑を背に閑静なたたずまいのこの地は、近世に女山(西多久町)を領有していた、多久家筆頭家老の屋敷跡です。
大正九年高取伊好(これよし)氏が公園として整備の上寄贈。地名から西溪(にしんたに)公園と名付けました。
高取氏の号も西溪(せいけい)といいます。
高取氏はまた大正十三年、洋風二階建ての図書館、赤煉瓦造りの書庫、「寒鶯亭(かんおうてい)」と呼ばれる公会堂を建立し寄附しました。
図書館は昭和五十五年老朽化のため取壊され、跡地には歴史民俗資料館、その南側には郷土資料館が建っています。
公園内には、高取氏の業を称える像や、聖廟創建に功績のあった佐賀藩の儒者武富咸亮邸より移築された大寶聖林碑、
竜造寺長信夫人の屋敷跡とされる「芳岩(ほうがん)屋敷」などの史跡があります。
こうした先人の遺香とともに、公園には梅・桜・紅葉・草花、数多い野鳥のさえずりなど、四季それぞれに奥深い自然の美か豊かなところです。
👇 公園内には3つの資料館がある

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👇 寒鶯亭(かんおうてい)

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寒鶯亭(かんおうてい)
寒鶯亭は多久町出身の炭鉱王 高取伊好(これよし)によって、大正11年に図書館や西渓公園とともに
村の公会堂として寄贈された建物であり、木造和風公会堂建築の好例といわれる。
建設当時は大規模な工事であり、村民のための社会事業の側面もあったという。
学問の家系に生まれた伊好は、人情に厚く、文化・教育・社会事業に多額の寄付をした。
当時独立施設の村立図書館はめずらしく、寒鶯亭や西渓公園と合わせ、小さな谷間の村に文化の灯をともしたいという
伊好の思いが込められている。
伊好直筆による「寒鶯待春」の書が寒鶯亭の名の由来であり、寒鶯とは冬の鶯(うぐいす)の意味である。
「冬の間、鶯は春に備えて一生懸命笹鳴きをし、春に美しい声を出し一人前の鶯となる。
多久の人々も一人前の人物として世に出るため、この公会堂で学んでほしい」という思いが込められている。
また、図書館に付設された赤煉瓦造りの書庫(現多久市郷土資料館書庫)は西渓公園内に現存し、寒鶯亭とともに
建設には杵島炭鉱の技術が数多く携わったといわれている。
👇 寒鶯亭

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👇 高取伊好の像

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高取伊好翁
物を開き務めを成した炭鉱王
高取伊好(1850~1927・嘉永3~昭和2)は嘉永3年(1850)、ペリー来航3年前、多久家儒臣鶴田斌の三男として嫩坨(どんだ)
屋敷に生まれた。長兄に刑法学者鶴田晧、次兄に炭鉱経営者横尾庸夫がいる。東原庠舎に学び高取大吉の養嗣子となり、
邑主多久茂族に請われ長子茂殻(乾一郎)と勉学を共にした。明治初年工部省鉱山寮に入り、鉱山学を修めたのち、
当時最も必要とされた炭坑の開発に挺身した。晩年、高取鉱業(のちの杵島炭砿)を創設し「石炭王」と呼ばれ実業会に名をなした。
一方事業で得た富は義損金、教育基金、産業資金として惜しみなく社会に還元した。号を西渓、法名を自ら「開物斎成務伊好居士」としていた。
高取伊好の生き方は、まさに易経にある「物を開き務めを成しとげる」を意とする開物成務そのものであった。昭和2年(1927)78才で没した。
大正9年に村民及び縁故者の寄附で立像が建てられたが、戦時中、供出されて胸像になった。原形は渡辺長男(朝倉文夫の兄)鋳造は岡崎雪聲(東京美術学校教授)によるものである。
この立像は、高取伊好翁立像復元設立実行委員会と市内外多くの人たちの寄附により、平成23年5月に復元されたものです。
👇 高取伊好の像から振り返る

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👇 紅葉が散ってしまって残念だが、紅葉の名所でもある

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👇 大宝聖林碑

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👇 かろうじて残っていた紅葉

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公園の奥の方は展望園地になっており、高取伊好の立像など、公園内の景色を見下ろせる様になっています。

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👇 もともとの自然と調和した公園です

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👇 多久市郷土資料館

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せっかくなので、郷土資料館にお邪魔します。
資料館の観覧は無料です。

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👇 多久氏の家系図

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👇 資料館で定番の、発掘系

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👇 ユニークな顔をした、「肥前狛犬」

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丁度訪れたときは、「多久市郷土資料館開館40周年記念企画展」をされていて、西渓公園を散策している方たちに、お声がけされていました。
👇 企画展の、平戸最教寺「四国八十八尊写真展」

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平戸にある「最教寺」の四国八十八尊の石像の写真を展示されていて、写真でプチお遍路体験をする企画の様でした。

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西渓公園
佐賀県多久市多久町西の原1975-1
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┃福┃発┃ \ 福岡発!! 九州観光ガイド /
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